ユーザー辞書について

ユーザー辞書は、ユーザーが編集可能な日本語辞書です。ユーザー辞書には、フレーズ辞書、単語辞書、記号ポーズ辞書の3種類があり、それぞれフレーズ、単語、記号ポーズを登録することができます。フレーズ辞書と単語辞書は、文章が意図したとおりに読み上げられない場合に、文章中に現れるフレーズや単語に独自の読み方を指定して登録することで、文章を合成した際にあらかじめ登録しておいた読み方で読ませることができます。記号ポーズ辞書には、文中の任意の場所にポーズを挿入する機能があります。
本節では、複雑な機能を持つフレーズ辞書と単語辞書について説明します。記号ポーズ辞書については、「記号ポーズ」の項を参照してください。

フレーズ辞書

フレーズ辞書機能

調整したフレーズの韻律情報をフレーズ辞書に登録することで、同じフレーズが発生した場合には登録されたフレーズの読み方で優先的に読み上げることができます。

フレーズの定義

AITalk 5では、以下の条件を満たす文章の一部(文字列)をフレーズと定義します。
  • フレーズは複数の文に跨ることはできません。
  • 文末記号(「。」、「?」、「!」)を末尾に含むことは可能です。
例1)×
“お電話ありがとうございます。株式会社エーアイです。”
⇒ 2つの文に跨っているため、1つのフレーズとは見なされません。
例2)○
“お元気ですか?”
⇒ 末尾に文末記号を含む文字列は、フレーズと見なされます。
  • フレーズの先頭と末尾には、読点または空白(スペース、タブ)を含むことはできません。
例1)×
「別にあなたのためにやったのではないが、」
⇒ 末尾に読点が含まれているため、フレーズとは見なされません。
例2)×
「   別にあなたのためにやったのではないが」
⇒ 先頭に空白が含まれているため、フレーズとは見なされません。
例3)○
「別に  あなたのために、やったのではないが」
⇒ 内部に空白または読点を含む文字列は、フレーズと見なされます。

フレーズの適用条件

フレーズ辞書に登録されているフレーズが合成する文章中に適切に現れた場合、登録されている読み方でフレーズが読み上げられます。

  • 登録されているフレーズと見出しが完全に一致するフレーズが、空白、読点、文末のいずれかに区切られて文章中に現れる場合、フレーズが適用されます。空白、読点、文末で区切られていなければ、例え見出しが完全に一致したとしても、フレーズは適用されません。
<原文> 「この任務が無事に終わったら、彼女にプロポーズしようと思います。」
→「この任務が無事に終わったら」をフレーズ登録。
例1)○
「この任務が無事に終わったら、旅に出ようと思います。」
⇒ 読点で区切られているため、登録されたフレーズが適用されます。
例2)○
「この任務が無事に終わったら 旅に出ようと思います。」
⇒ 空白で区切られているため、登録されたフレーズが適用されます。
例3)×
「この任務が無事に終わったら旅に出ようと思います。」
⇒ 空白、読点、文末で区切られていないため、登録されたフレーズは適用されません。
  • 複数のフレーズが重なった場合、以下のルールにしたがって、1つのフレーズのみ適用されます。
    • 開始位置が異なる場合は、開始位置が早いフレーズが優先されます。
    • 開始位置で複数のフレーズが適用可能な場合は、見出しの長いフレーズが優先されます。

単語辞書

単語辞書機能

単語に独自の読みとアクセントを割り当てます。
※最終的な単語の読み方は、他の単語とのバランスも考慮した上で音声合成エンジンによって決定されるため、まれに単語辞書に登録したとおりに読み上げられない場合があります。確実に意図した通りに読ませたい場合は、文末記号(“。”、“?”、“!”)を含む一文全体を単位としてフレーズ登録を行ってください。
例)「東京に出てきてから、もう10年近く経つ。」
⇒「東京」を当て字で「コッチ」と読ませたい。

見出し「東京」、読み「コッチ」、品詞「地名」で登録
⇒「東京」は「トーキョー」としか読み上げられない。

品詞

単語の品詞には、文中における単語の役割を決める働きがあり、選択した品詞によっては登録したとおりに読み上げられない場合があります。
例)「彼は、故郷である日向に帰った。」
⇒「日向」を「ヒューガ」と読ませたい。

見出し「日向」、読み「ヒューガ」、品詞「人名」で登録
⇒「日向」を「ヒナタ」と読んでしまう。

見出し「日向」、読み「ヒューガ」、品詞「地名」で登録
⇒「日向」を「ヒューガ」と期待通りに読む。

優先度

単語には優先度が設定されており、優先度の高いものほど優先して選択されるようになります。
極端に優先度の高い単語を登録すると単語同士の優先度のバランスが崩れ、日本語解析処理に悪影響を与える可能性があります。優先度を高く設定しなければ意図したとおりに読み上げられない場合を除いて、優先度は「標準」以下に設定してください。やむを得ず優先度を「高い」または「最高」に設定した場合、他の文章を読ませた際に問題が発生することがありますので、十分ご注意ください。
優先度を上げる必要があると思われる場合は、優先度を上げる前に以下方法で対応可能か検討してください。
  1. より長い単位で単語登録する。
  2. フレーズ登録する。

※ 優先度を「最高」にしても、文脈によっては別の読み方が優先されてしまう場合があります。確実に意図した読み方で読ませるには、フレーズ登録を行ってください。

フレーズ辞書と単語辞書に関するその他のトピック

  • 入力テキスト中に登録済みのフレーズと単語が重複して登場する場合、フレーズが優先されます。
  • 単語辞書では、単語の先頭へのポーズの挿入、母音の無声化を行うことはできません。これらの機能が必要な場合は、フレーズ辞書を利用してください。
  • フレーズ辞書と単語辞書の最大登録件数は60000件です。